テキストサイズ

ガーディスト~続編~

第2章 死んでもストーカーする男(後編)

その時、こちらに向かって廊下を歩いてくる女性と目が合った。




「!!」




綾は言葉を失う。




その女性は、自分と全く同じ顔をしていたからだ。




祐司と圭吾も、その姿を直視し固唾を飲んだ。




(“女神”だ…)




女神は、手首に手錠をかけられていた。
背後には女性警察官がいる。




真っ青になって固まっている綾に、女神は無表情で近づいた。




「…どう?似てるでしょ?」




そして、にやぁっと笑う。




「私ね…あなたにずぅ~と憧れてたのよ。
あなたの写真撮って、何度も整形手術したわ。あなたになることで、私は最高の人生を手に入れることができたの」




怯える綾を無視して、女神は更に話し続けた。




「だけど、ストーカー男のせいで私の幸せは狂ったわ。恋人の潤も…みんな、私は綾じゃないって言うのよ?だから殺してやったの。あなたもわかるでしょ?こんなに似てるんだもの、私は青木綾なのよ」




訳の分からないことを言った後、女神はクスクスと笑い出した。
「歩け!」と女性警察官から背中を押され、女神は笑いながら綾のもとを去って行った。




「……」




青ざめた表情のまま、綾はその場に立ち尽くした。




「…行きましょう」




圭吾は目を細めながら、綾の震える肩にそっと手を置いた。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ