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精霊と共に 歩睦の物語

第7章 夏の剣道大会…

 大会の場所は、星見山市総合運動公園で開催される。

「見えてきたぞ」
 信司か運転しながら指差す方に、小さく見える屋根。

 星見山市総合運動公園には、市民体育館、武道場、陸上競技場、多目的グラウンドを兼ね備えており、要予約ではあるが自由に施設を利用できる。

 今回の星見山市夏祭り少年少女剣道大会。試合は体育館を使用する。
 途中で県交通のバスの後ろになる。

「あ、涼がいる」
 バスの中に真鍋涼が荷物を肩にかけて乗っていた。

「え!どこ?」
 実が外をみる。

「ほら、あそこ…」
 バスを指差す歩睦。

「あ、ホントだ!おー涼兄ちゃん!」
 車の中で涼を呼ぶ実。

「はは、ココからじゃ無理だよ」
 信司か笑っている。

 たわいのない会話をしているいちに運動公園の正面入り口まで上がってきた。

 バスがバス停に止まる。
 涼が他の選手達を一緒に降りてきた。

「お父さん僕はココで降りるよ」
 正面入り口で車を止めて、荷物を降ろす。

「じゃ、車を駐車場に置いてきます」
「お兄ちゃん、また後でね」
「頑張ってね」
 車の中から三人が手を振る。


「おはよう!」
 涼が歩睦の側に走ってくる。

「おはよう!」
 降ろした荷物を肩にかけて、涼に近づく。

「バスの後ろ。お前ん家の車だったろ?」

「気付いてた?」

「始めは気にしてなかったけど、信号で曲がった辺りから、そうじゃないかなって…な」
 涼と二人で体育館に入る。

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