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精霊と共に 歩睦の物語

第1章 夏休みは部活だ!

     *****

「お待たせ!」
 涼が、出来立てのホットドックが入った、バスケットを持って走ってきた。

「いい匂いだろ!紅葉さんのホットドックは最高だぞ!」
 バスケットを歩睦の顔の前に出す。

 歩睦は、公園のベンチに座って動かない。

「おい!反応しろよ。一人でやると恥ずいんだから……」
 涼は歩睦の反応を待つ。

 歩睦は焦点の無い目でボーとしている。

「…大丈夫か?おーい、歩睦くぅーん」
 涼が歩睦の顔の前で、掌をヒラヒラさせなから、覗きこむ。

「え?あれ…涼?僕ずっと、ここにいた?」
 歩睦は、周りを見回しながら言う。

「いたよ!大丈夫か?」
 歩睦の隣に涼が座る。

「寝てたのかな?」
 頭の中がまだ、ボーとする。

「ほら、ホットドック持ってきたぞ」
 歩睦の分が入ったバスケットを渡す。

「あ、いい匂い!」
 バスケットの中のホットドックを取り出す。

 豪快にかじる歩睦の第一声。
「おいしい!」

「だろ!」
 緑と銀のギンガムチェックの包装紙を持ちながら、涼は笑顔になる。

「このソーセージうまい!」

「手づくりなんだって!」

「涼は、情報通だよな」

「将来は、新聞記者とかなれるかな?」

「新聞記者より、情報屋?にでもなれば?」

「ゲームじゃんか…」

 二人は、モクモクとお昼を食べている。

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