テキストサイズ

精霊と共に 歩睦の物語

第6章 戦いの前に、家族で…

     **

「ふー、さっぱり!」
 用意されていた、着替えを着て、浴場から出てくると、使用人が待っていた。

「お湯はいかがでしたか?」

「きもちよかったです」
 タオルで頭を拭きながら廊下を歩く。

「歩睦様。湯冷まします、きちんと乾かしましょ」

「ああ、大丈夫ですよ。ありがとう」

「そうですか?では、広間で談笑されてますので、そちらにお飲み物をお持ちします。なにがよろしいですか?」

「じゃ、麦茶を」

「かしこまりました」
 使用人はその場から離れていく。

「じゃ、僕は広間でまってよ!」
 歩睦は広間に向う。

 広間まで来ると、他の使用人が立っていた。
「みんな、中?」
 歩睦が聞く。

「はい、談笑中です」

「そうじゃ、僕も仲間に入ろうかな?」
 歩睦が襖に手をかけようとする。

「歩睦様お入りです」
 使用人が襖を開けてくれる。

「あ、ありがとう」
 使用人にお礼を言って、中に入る。

 歩睦が中に入ると、襖は自動ドアのように音もなく閉まる。

(なれない…)
 この家ではこれが普通。
 歩睦は、いつも調子が狂うので、ドギマギする。

「お兄ちゃん、こっちおいでよ」
 実が両手にクッキーを持って手を振る。

「ああ、いまいく!」
 広い二十畳の和室に大き目の平テーブルに焼き菓子やお茶があった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ