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精霊と共に 歩睦の物語

第6章 戦いの前に、家族で…

 玄関の前に止まっている車には、すでに家族が乗って待っていた。

「お婆様!またクッキー焼いてね」
 車の中の実と玄関に立つ梢が話している。

「もちろんよ。次に帰ってくる時はチョコ味にしましょうね」
 微笑む梢。


「景さん…」
 助手席に座っている景に、梢が話しかける。

「お、お母様…」
 景は直視しない。

「…無茶は…しないでね」

「はい…」


「お待たせ!」
 歩睦はジャージ姿で土御門の玄関を出てきた。

「歩睦さん、応援には行けませんが、頑張ってくださいね」
 梢は車に乗る歩睦を激励する。

「はい、頑張ります」
 歩睦は胸の前で拳を作る。


「それでは、行って来ます」
 信司が車のエンジンをかける。

「行って来ます!」
 後部座席の実が手を振る。

 梢がニコニコしながら手を振る。

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