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精霊と共に 歩睦の物語

第6章 戦いの前に、家族で…

 土御門家の朝食は和食…歩睦と実は広い広間で二人だけで食事をする。

「お父さんたちは?」
 実が給仕をしている使用人に聞く。

「…信司様は別室でお召し上がりかと思われます」
 困ったような顔の使用人。

「えー、一緒に食べればいいのに!」
 ぶーぶー文句を言いながら、目の前の食事に箸を突き刺す。

「あ!実!行儀悪いよ」
 実を止める歩睦。

「あぁ…ごめんなさい」


「奥様お入りです」
 襖が開く。

「おはようございます」
 歩睦は箸を一度置き、立ち上がる。

「ああ、食事の手をとめないで!私はお弁当を届けに着ただけなのよ」
 梢の後ろに控えている使用人が重箱を持ってきた。

「お、大きい…」
 三段の大きな重箱が歩睦の側に置かれる。

「試合頑張ってね」
 梢は両手を頬の前で重ね微笑む。

「はい」
 歩睦は笑顔で答える。


 ――


「信司様入ります」
 襖が開く。

「食べたかい?」
 信司が部屋に入ってきた。

「うん!」
 実が返事をする。

「じゃ、車を出して来るね」
「僕もいく!」
 信司と実は部屋を出ていった。

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