教えてよ、先生…
第5章 先生、素直になってよ
私は蒼と別れ
家に帰った
ガヂャ
「ただいま」
誰もいない…
リビングに向かうと
お母さんからの置き手紙があった
置き手紙の内容が
[麻依へ
今日も仕事で明後日の夜ごろに
帰ってきます
あと 今日の夕方頃に
新が帰ってきます
お風呂は入れてあるので
まず お風呂に入れて
冷蔵庫にあるおかずをチンして
食べさせて下さい
ご飯は炊飯器で炊いてあるので
よそって食べて下さい
母より]
私のお母さんは
キャビンアテンダントで
よく何日間か帰ってこない時があった
今回の仕事では
ヨーロッパに行くらしい
「新 帰ってくるのか…」
新(アラタ)とは 私の双子の兄
小さい時から冷めた性格で
好奇心ゼロな人間
6歳位に始めたピアノが大当たり
だったのやら
どんどん上手くなって
小3で全国大会で優勝しちゃで
そまんま パリの留学のオファーが
あって
小4の春にパリへ行った