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恋論! *-平凡ちゃんと2人の王子くん-*

第3章 片想い?-*-*-陽side

放課後のグラウンド。

青々とした人工芝グラウンドに、5月の温かい日差しが降り注いでいて、寝ちゃいそうだ。

部活がはじまる時間帯だからか、
うとうとしている私になんて目もくれず、

用具準備やら走り込みやら、運動系部、文化系部問わずたくさんの人が

せかせかとグラウンドを行き来しているみたい。


でも、私だって、帰宅部だけど、なんの用もなしにグラウンドに来たわけじゃない。

都心にある学校だというのにだだっ広い人工芝グラウンドで、

私はうとうとしながら目的地に向かって歩いていた。


まあ、まず、迷うことはない。
グラウンドの入り口から見ても、

一番奥の右端にある"目的地"には、もうすでに大勢の人だかりが出来ていた。


なにが目当てかって?


…マンガなんかでありがちな、アレですよ、アレ。



人だかりに近づくにつれ、
ザワザワと歓声が聞こえ始める。


[きゃー、御崎くーん!!]

[佐野様ぁー!頑張ってぇ!!]

[かっこいい!]

その歓声のどれもが、女子のもの。


そして、その女子たちの標的(ターゲット)は、


佐野幸斗と、御崎真白――。


 『学校の王子様たち』。

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