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ひと夏のアバンチュール

第5章 嵐の予感

老夫婦に深々と
敬礼したライアンの瞳は

すぐに私に向けられた

目があった瞬間
顔を背けた

きっと
私の絡みつくような
視線を感じたんだろう


体温が
顔に集まったように
真っ赤になってしまう


「お待たせ 横いいかな」


肩から
ライアンの顔が覗き込む


ドキッとした


「遅い 帰るところよ」

「ごめん 僕にも時間を下さい」

後ろから肩を抱き寄せた


心臓が
激しく鼓動する


「仕方ないから 少しね」

「ありがとう」

ライアンは隣の席に座ると
カウンターの店員に
ウイスキーを頼んだ



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