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ひと夏のアバンチュール

第5章 嵐の予感

一口飲むと

体ごと私に向き

左手を頬にあて妖艶に微笑む

「昨日の話だろ
 ただこうして飲んだだけ
 ケンはたまたま託児所がお休みだったから、ここにいたんだよ」

「それで 朝ベット?」

「ケンと2人でここで寝たんだよ
 彩華が傍に居てくれって言うから」

またまたウインクしちゃって



からかってるんでしょう


私の反応を見て楽しんでる?


ため息がでちゃう



「わかった
 じゃあ~ もう帰るわ
 用事はすんだから オヤスミ」


席を立つ私の手首を
ライアンが強く握った

「待って もっと話したい
 呑まなくていいから 話そう」

「無理よ 明日も仕事だから」

「お願いだよ」

「・・・・・・・・・・・・」

「彩華 もう少しだけ」

ライアンは
媚びるような瞳で見つめる

縋り付く瞳に

負けてしまった・・・

「コーヒー頂戴」


カウンター越しの店員に
注文する



満面の笑みを向け
飛び跳ねて喜びそうな勢い

席を立つと

ほっぺに
吸い付いてきた

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