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自殺旅行

第2章 自殺旅行

「先月の台風の影響で電車が途中までしか通っておりませんので、申し訳ございませんがお手数ですが○○駅で臨時のバスにお乗り換え下さい」
「わかりました」
渡されたのは電車のチケットと臨時バス用のチケット。
台風の被害か・・・・・大変なときに来ちゃったかな?もう少し調べて来てもよかったかな?なんて今更か。わたくし死出への旅路の片道切符で来ましたから。
あら?エレベーターもエスカレーターも無いなんて。持てるけど・・・まだ今日は少し重いのよ!生存日数長くて5日の荷物を抱えて長めの階段を下りる。
この荷物が私の全財産。あとは全部切り捨てて来ちゃった☆
まさに失うものは何もない。
凄い・・・・・超!気楽~~~♪
聞いたこともない電車に乗り、寝る。
この『寝る』という行動。私は幼い頃から寝付けず困った・・・なんて事が一度もない。本当に『いつでも』『どこでも』『どれくらいでも』眠る事が出来る。
二度寝三度寝当たり前。四度寝五度寝まだまだ行ける。六度寝七度寝も・・・八度寝九度寝そして十度寝・・・・・アホですね~。明らかに寝過ぎなのだが、これはこれで便利な特性だと思う。
で、目を覚ますと乗り換えの駅間近だった。寝過ごすところでした。
到着。ホームに出る。階段しかない。荷物を抱えて上がる。外に臨時バス。やはり階段しかない。荷物を抱えて下りる。バスに乗る時も当然荷物を抱えて・・・・・・・って!後は死ぬだけなのに~~~!なんなの?!最期の苦労?
これが巷で噂の『神の試練』ってやつなの?!もしもそうなら・・・くっそ~神め!!!
バスは進むよ山のなか。って、本当に山々山々山々山々山々山々・・・・・。
行っても行っても山ばかり。山から山へ。おい、スゲーな!・・・山しかないじゃん!ここの住人達はいったいどうやって生活してるの?っていうか人住んでるの?住めるの?
な~んて失礼かつ余計なお世話な事を考える一方で『木』選び放題!『吊り』放題!じゃ~ん!ヒャッホ~ウ♪
なんてことも思っていました。

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