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自殺旅行

第2章 自殺旅行

出発の日。
生きるのも長くてあと4~5日。僅かな荷物だけを持って夜9時ごろ部屋を出た。自転車に乗って駅まで。ラッキーさんご自由にどうぞとばかりに、自転車の鍵は掛けたままで乗り捨て。
・・・・・・・・・・ごめんなさい。
初めての高速夜行バス。っていうかプライベートの旅行すら初めてなのよね
~。引きこもりのオタクだったから☆
ふう~~~~~・・・やれやれ。危うくバスに乗れないところだったわ!旅行も初めてバスも初めて。で、そういえば東京駅も初めて駅から出たような・・・そして方向音痴。
いや~ん!迷っちゃたじゃない!
あ~~~危なかった!
『初めて』って怖いわ~。
・・・・・・・・・・たっぷりぐっすり寝てました☆気が付いた時にはもう間もなく到着。カーテンに頭を突っ込み窓の外を見た。
う~~~わ~~~・・・山ばっかりだ!これなら『吊る』木も選び放題ね!いいじゃない♪いいじゃな~~~い♪
バスから降りたときにはもう明るくて、うう~ん・・・爽やか~!秋晴れって感じで気持ちいい~♪
いい感じに『自殺日和』。
しかし・・・何もないところだ。県の名前の駅なのに。何もないとは・・・コンビニがポツンとあるだけ。とりあえずそのコンビニへ。
ミネラルウォーターと何か食べ物を・・・と言ってもお腹は空いていない。ここ数日ほとんど何も食べていないのに不思議なことに全くと言っていいほどお腹は空かない。
『死ぬ』と決めたからだろうか?もう『食べる』意味が無いと体も悟ったのだろうか?
が、少々足がふらつく。何でもいいから胃に何か入れておかねば。死に場所を見つけるのも、見つけて決行するのにもまだ少しだけ体力は必要だから。
コンビニを出て駅へ 。3泊の予約を入れているホテルへはどうやって行くのかな~?
全くの知らない土地。知り合いはもちろん1人もいない。この県出身の知り合いもいない。ヤバイ!テンション上がってきた!ワクワク♪してきた!!!
・・・落ち着け。静まれ。35歳。

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