自殺旅行
第4章 個室生活
「彼氏になって下さい!」
さすがに『彼氏』・・・・・・そう言われたのは人生初です☆ 逆に迷います。思わず差し出された手を握りそうになるほどに!
「間違えた!!! 彼女だった!」
「いいですよ~~~・・・・・・でも私の口から出る言葉は嘘ばっかりですが♪」
「ええ?!?! 嘘なの?!」
グイグイ来る『SD』の手を笑顔で握る私。・・・・・・ああ、職業病って恐い!!! つい癖で・・・・・・そんな言葉と笑顔が・・・・・・。
お酒の席やベッドの上じゃないんだから・・・・・・客相手の曖昧な言葉と笑顔が出てしまいました。
お陰で『SD』グイグイ&調子に乗るように・・・・・・。
私は自己中な人間です。自殺をするくらい自己中です。性格的にも問題が多々ある事も自覚しています。
そして今やただの暇なホームレスです。
そんな私なので・・・・・・可哀想に『SD』の勘違いをそのまま放置★ してみるという残酷な事をしてみました☆
そうそう、わたくし結構『放置プレイ』得意でしたのよ♪
十四時くらいに内庭開放。
「日向ぼっこしませんか~?」
看護師が声をかけてまわる。私にもお声がかかるが・・・・・・主治医・・・・・・ヒョロ助の許可が下りていない。
内庭への扉。開放されている。開いている扉のすぐ横にもたれて立ち、外を見る。
出たいなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
陽射しはなかなか強烈だけど、風はひんやりと冷たくて気持ちがいい。
出たいなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
さほど広くはない内庭。奥に見えるのは高く白いフェンス。上の方はこちら側に返しが・・・・・・。
あのフェンス・・・・・・登りたいな。
出たいなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。