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自殺旅行

第4章  個室生活


三十七日目

天気がいい。

「食事が来ました~~~」

看護師の声がする。静かになる廊下。また忘れられているのだろう。そのまま暫し待つ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰も来ない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドアノブを捻ってみた。開いた!!!

開いてんのかーーーーーーい!!!






何事もなく淡々と過ぎ行く時間。無駄に過ぎ行く時間。

ああ嫌になる!!! イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ・・・・・・・・・。

早く早く退院したい。死にたい。死にたい死にたい死にたい死にたい・・・・・・。







ロビー端の長椅子で『SD』と話しているとヒョロ助ではない医師が。身長180超えの医師。『M先生』が通り過ぎようとしたが立ち止まり、

「ちょっとお話いいですか?」

と・・・・・・。デジャヴ? 昨日はロマンスグレーで、今日は若い『M先生』

「いいですよ」

「じゃあ隣、失礼」

『M先生』は『SD』に避けてもらい私の隣に笑顔で座った。

この先生はよく見かける。独房の時もロビーでも。

「調子はどうですか?」

「はあ、いいですよ」

「そうですか。え~~~っと・・・・・・貴女の主治医の○○先生ですが・・・・・・貴女の事をとても、よく考えてくれているのですよ? 」

「はあ・・・・・・・・・・・・・・」

デジャヴじゃん!!! ロマンスグレーと同じことを言いに来てるよ!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれか? 精神科医の手なのかな? こうやって他の医師たちから言っておけば、患者は主治医を信頼するとかか?

そんなに私の事を考えてくれているなんて!!! 嬉しい!!! なんて良い主治医なんでしょう!!!!!!

なんて、思うとでも? 甘いわ! そんな手に引っ掛かるほど若くもなければ、純真無垢でもなくてよ!

熟女舐めんな!!!!!!!!!

「○○先生のお話、ちゃんと聞いてくださいね?」

「はい。分かりました」

ニッコリ笑っておきました☆

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