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自殺旅行

第4章  個室生活



三十八日目

朝っぱらから気分は微妙・・・・・・。欲や煩わしさが嫌だ。欲も煩わしさもバイバイしているはずなのに。

天気がいい。雲が流れるのが速い。

早く出たい。毎日思う。一日何度でも思う。早く出たい。早く早く早く。




ヒョロ助タイム♪

「今月中には出れますか?」

私の質問にヒョロ助苦笑。

まあそうですよね。生保もまだ下りていないのに・・・・・・。でもね、先生。私早く出たいのです。

早く。一日でも早く。一刻も早く。

「仮名さん。生活保護が下りてもすぐに・・・・・・って訳にはいかないんですよ~?」

にこやかに穏やかに話すヒョロ助。

「??? なんでですか?」

「出たあと・・・・・・どうするんですか~?」

「それは・・・・・・ナイショです☆」

「え~~~、教えて下さいよ~。ね?」

「フフフ・・・・・・ナイショです☆」

「そうか・・・・・・じゃあ、出してあげれませ~ん♪ 」

「はあ?! いやいや、生保下りたら退院しますので☆」

「あはは、はい。無理ですよ~」

「??? 無理もなにも・・・・・・出ますので・・・・・・」

「仮名さん。わたし生活保護下りると『医療保護入院』に切り換えますって言いましたよね?」

「はい。覚えてますよ~」

「そうですか。・・・・・・『医療保護入院』は患者さんが勝手に退院出来ないんですよ?」

「?!?!?!?!?! えっ?!」

「仮名さんが退院したいと言って退院出来るのは『任意入院』って形態なんですよ~」

私の頭の中はクエスチョンマークがわらわらと飛び交っている。

「先生。意味が解りません」

「あははは。・・・・・・そういう決まりなんですよ~。」

「じゃあ、その『任意入院』にしてください」

「う~~~ん・・・・・・。まだダメです。出たあとの事を・・・・・・住む所とか・・・・・・今後の生活とか・・・・・・」

「?!?!?!?!?!?!?!」

今後だと?!?!?!?!

住む所だと?!?!?!

アホかーーーーーー!!!!!!

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