自殺旅行
第6章 大部屋
七十六日目
『メリット』は『吊り』たいらしい。死ぬにも運が必要ですよ。私のような事にもなっちゃうから気を付けろ・・・・・・なんてアドバイス? 的な事を言ってはみたが、成功者じゃないから役には立たないか・・・・・・。まあ、成功者はアドバイス出来ないからね☆ だって死ねてるから★
『メリット』の主治医は私と『メリット』が仲良くするのはあまり宜しくないと思っているだろうな。
看護師『男前(私は認めない)さん』がモンハンのモンスター金冠一覧表をわざわざ調べてプリントアウトして持ってきてくれた! 嬉しい! 嬉しい! ありがとうございます!!!
正月は狩り三昧か?!
消灯過ぎ。
ロビーで患者たちと声を落として雑談していたけど、ふと思い立って食堂前の廊下に貼ってある『月間スケジュール』を見に行った。
『2012年一月』のものが早々に貼ってある。
「なにしてるんですか~?」
看護師がにこやかに声を掛けてきた。
「年・・・・・・本当に、年・・・・・・越すんだなぁ・・・・・・と・・・・・・思いまして・・・・・・」
越す気はなかった。私は二ヶ月前には死ねているはずだった・・・・・・のに。
「・・・・・・もう、お部屋に戻ってねましょうか?・・・・・・十時も回りましたし・・・・・・」
「そう・・・・・・・ですね・・・・・・」
ただただ、苦笑した。苦笑するしか出来なかった。
年・・・・・・越すって・・・・・・・・・・・・。