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自殺旅行

第6章  大部屋


彼女は二月に逝きたいと言った。私はとっくに逝っているハズだと言った。お互い笑う。そうして私は『メリット』に言う。

「十五年生きろ!」

「えぇ~~~ひど~い! 仮名さんも『生きろ教』だなんて~~~・・・・・・だいたいどうして十五年なんですか~?」

「ん? だって悔しいじゃな~い。私も二十歳頃の時にも死のうかな・・・・・・とか思ったけど、気が付いたら三十五・・・・・・三十六になってさ~~~。だから、十五年生きろ! 小娘!!!」

「ひど~~~~~い! 仮名さんのただの我が儘じゃないですか~~~!」

「うん。そう! わたくしの完全なる嫉妬、逆恨み? みたいなものですが? それが何か? 十五年生きろ!!! 十五年後に死になさい! そして失敗してぶち込まれてしまいなさ~い♪」

「ひど~~~~~~~い! じゃあ仮名さんも十五年生きてくださいよ!」

「いやいや私はもう・・・・・・・・・勘弁して下さい☆」

『メリット』とはこんな感じ。死にたいだのお互いに自分の事は棚に上げて生きろだの・・・・・・これがどうして・・・・・・なかなか・・・・・・♪







七十八日目

大晦日。

「よいお年を~」と言われるのが癪に触りま~~~す★

年・・・・・・・・・・・越したくねぇぇぇぇぇぇぇェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!

なんで生きてんのぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーー?!?!?!?!?!?!





患者『NKさん』が私と『メリット』が話しているのを聞いていて入ってきた。

『NKさん』は『死ぬな教』『生きろ教』でクリスチャン☆

フフフ・・・・・・・・・・・ウザ~~~~い★

私と『メリット』は顔を見合わせる。溜め息が出る。苦笑しちゃいます。ありきたりな言葉。

「死ぬなんて言っちゃダメです」

「生きていれば良いことが」

「みんな悲しみますよ」

「世の中には生きたくても生きられない人もいるんですよ」

などのよく聞くありふれた言葉。

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