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自殺旅行

第2章 自殺旅行

霧雨が強くなる中、一歩ずつ上がる。上がる上がる上がる上がる上がる上がる上がる上がる・・・・・。
そして到着。
雨にけぶる神聖な境内。
粛々とした気持ちで詣でる。
二礼二拍手一礼。乞い願う。
(どうか上手く逝けますように!!!)
マジで!本気なんです!
ここでも願うのはただその一つのみ。
境内散策。さすが有名な観光地。団体客も複数来ていた。
ほほ~~~う・・・この木の股をくぐれば寿命が延びるとな・・・・・・・却下です!わたくし寿命を断ち切りに来ましたので却下です!!
山の上。霧雨なのが残念。きっと景色は最高なんだろうな。
全身しっとり濡れた体が寒気でブルリと震えた。散策途中で茶屋発見。なにか温かい物でも飲もうかな~。
「はい、どうぞ!ソフトクリームです!」
わ~~~やった~!ソフトクリームだ!茶屋の中は団体客でいっぱいだからお外のベンチで食べることにしよう♪一応屋根もあるから雨に濡れる心配もなし☆
あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~・・・・・寒い。
空気が冷える山の上。霧雨。全身しっとり濡れてます。ソフトクリ~ム★
・・・・・・・・寒い。
だってさ、食べてみるのもありじゃん?!『ご当地名物ソフトクリーム』だよ?!ここでしか食べられないんだよ?!そりゃ注文しちゃうってーの!食べるっつーの!寒いっつーーーーーーの!!!
完全に芯から冷えた体を引き摺り境内散策再開。
『修繕費用のご寄付をお願いします』
と書かれた小さな看板。記帳ノート。
手作りの小さな木の箱。
とりあえず寄付しときました。深い意味なんかありゃしません。だって私にお金はもうそんなに必要がないから。
死にますから。記帳もしましたよ。
『某人某所』と。

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