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自殺旅行

第2章 自殺旅行

振り返ると巫女さんが笑顔で「お気持ちありがとうございます」と何かを差し出してきた。受け取った物を開けると『箸』が・・・。
ああ、もう私死ぬのにな・・・。このお箸を使って何かを食べることもないのにな~~~。苦笑した。そして見た。包みに『長寿箸』と書かれているのを。
ぜーーーーーーーーーーーーっっったい!使わねえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
ってか、要らねぇぇぇぇぇぇーーー!
思わず巫女さんに投げつけor地面に叩きつけそうになりました。
神!!!仏!!!マジ!ムカつく!
死ぬって言ってんだろーーーが!!!


帰りの階段の途中に震えながら私が食べたソフトクリームの元ネタの飴ちゃんが売っていた。よぼよぼの婆さんが1人でひっそりと商売をしている。目が合った私に手招きしながら声をかけてきた。
「○○飴ですよ。ここの名物ですよ。3袋・・・いや4袋500円ですよ。」
う~~~ん。そんなに要らないんだけどな~。1袋でも今の私には多すぎる。
あと2~3日じゃ食べきれないし。
一応聞いてみた。
「1袋だといくらですか?」
「1袋だと高いから3袋・・・いや4袋買って行きなさい」
「いえ、そんなに要らないんで・・・」
「いいからいいから。ほら、お土産にでもすればいいよ」
「いや、1袋で・・・」
「1袋だと高くなるから」
「いえ、本当に1袋で・・・」
「お土産にすればいいよ」
「いえ、あの・・・」
お互い譲らない攻防戦。
3つも4つも本当に要らないんですよ?理由を言いたくなるほどババアは折れない。
言っちゃうぞ?理由を言っちゃうぞ?
「私もう死ぬんですよ~。だからそんなに要らないんですよ~」
って言っちゃうぞ?
ババアの寿命縮めちゃうぞ?
まあ、実際は言わないけど★
言えないけど★

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