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井上真緒編

第6章 6

チアキ「はははは、私に、そんなものいるはずないじゃない」
真緒「それじゃ、あなたは生まれつき、貧乏神だったんだ」
チアキ「挑発的な言い方はやめることね。私はプライドを傷つけられるのが一番嫌いなのよ」
真緒「でも、信じられない。生まれつき貧乏神だなんて」
チアキ「誰が、そうだっていった」
真緒「なんだ、ということは、あなたも元々は人間だったんだ。それだったら、お母さんはいたんじゃない」
チアキ「うるさい。そんなのはどうでもいい。あなたとは違うところで私は、生きているのだ」
真緒「確かに。わかり合えそうもないわね」
チアキ「それだったら、黙っていることね」
真緒「黙ってられないのはあんたでしょ」
チアキ「最初から、最後まで、かんに障る人間ね」
真緒「ねえ、あなたがでていく条件ていったい何よ」
チアキ「そんなもの、知らなくてもいいのよ。そんなのは、私が決めることなんだから」
真緒「いいじゃない。教えてくれたって」
チアキ「そうだね。それだったら、あんたの友達を私に売るんだったら、出てってやるよ」
真緒「冗談でしょ。ほんとうに、根性腐ってるね。あなたは、幸福のエネルギーを吸い取ってれば、生きていけるんじゃないの」
チアキ「ただ、生きてるわけないじゃない。目的のために、生きてるのよ」
真緒「目的って言うのはいったい何よ。運動のこと」
チアキ「そんなのはどうでもいいんのよ。どうするの。友達を売るの、売らないの」
真緒「ふざけないでよ。そんなことするわけないじゃない」
チアキ「残念ね。それだったら、当分、ここにいさせてもらうわ」

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