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恋は甘い香りと共に

第2章 天気、あらし。




何かもう、お願いだから静かにして欲しい。




大体なんなのこのシチュエーション。



あたしがつくった弁当取り合うとかさ、
まるで少女漫画。




残念ながらあたしはそれらに出てくるようなピュアで天然で可愛らしい女のコとは正反対なんだけどね。




藍川湊人は寄ってくるふたりを煩そうにふりきって、歩きながらあたしの弁当をかきこむようにして食べている。



それを見てさらにギャーギャー騒ぐ二人。




ガキかっつーの。




旧図書室をグルっと一周してきた藍川はあたしに「ん」と空になった弁当箱を返してきた。



「え、うわ、全部食べたの?まじで?」



「湊人サイテー、あり得ない、もう友達辞める」



アホだ、こいつら本当にアホだ。




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