恋は甘い香りと共に
第1章 はじまり
「杏里モテるね~」
すごすごと帰って行く彼らの背中を見送っていると友達の新川遥が話しかけてきた。
「その言い方止めて。なんか悲しくなる」
「え、いいじゃん褒めてんだよ?あんなモテ方、さすが『部活荒らし』」
栗色の綺麗に巻かれた髪をいじりながら隣に座る彼女に私は暗い眼差しを送った。
「その言い方もやだ。車上荒らしみたいじゃんよ」
「まあまあまあ。みんな尊敬を込めてそう呼んでるんだよ」
さらっと暗い眼差しをかわされた私は机に突っ伏した。
「どうせ運動馬鹿ですよーだ」