恋は甘い香りと共に
第1章 はじまり
突っ伏した直後、にわかに廊下の方が騒がしくなった。
女の子の黄色い声。
はあ、またかと眉を潜める。
「わ、3トップだーっ!!3人揃ってご登校なんて珍しい」
私が通うのは普通の私立の高校。
一応進学校と呼ばれる部類には入るけどそこまで厳しくはない。
至って普通。けれど、変。
遥がさっき言った3トップ、そう呼ばれる人たちがいる。
「きゃー!!い、い、今湊人様がこっち見たーーーーっ!!」
ちらり、と顔を上げて横を見るとちょうど廊下を歩いていく3人が見えた。
もっとも女の子たちの陰になって一瞬しか見えなかったけど。