恋は甘い香りと共に
第2章 天気、あらし。
「おはよー…って杏里どうしたの」
昇降口の人混みの中、私は会ったばかりの友達、新川遥の背に隠れた。
「ごめん、ちょっと背中貸して」
…なんで私が友達の影に隠れながら登校してるかって?
「あーらーしーちゃーん!」
この呼び方でもう私に何が起こっているかなんてわかるはず。
ってゆか私には何故こうなっているかわかんねえ!
「…なんで翔様あんな騒いでんの?しかも女の子の名前。ってか誰?」
朝、HRの20分前に登校してきた私を待ち受けていたのは人(女の子)の山。
何かあったのかな?って不思議に思ってその中心部を見てみたら翔があの名前を叫んでいたってわけ。