同居人
第2章 待っていてくれる飼い人
一瞬だけ
男の子の表情が
一瞬だけ
曇った。
「でも私ネーミングセンスないんだけど」
「何でもいいよ」
「考えつかない…」
「じゃあ昨日写真に写ってた人の名前参考してみたら?」
「…柚樹の写真見たの」
「落ちてたの拾った時に見ちゃった…」
「…そ。もう柚樹の話はしないで」
「うん。分かった」
こんな時でも
笑顔でいられる
男の子に驚く。
「…あ」
「なになに?」
食べ終わった食器を
運んでくれる
男の子。
「普通に優なんてどう?」
「いい!!優!!さすがなーちゃん!!」
優は嬉しそうな
顔をした。
優の笑顔は私まで
笑顔になれる。
「お出掛けしようよ!!」
「またそれ?嫌だよ。家でいいじゃん」
「やだ。どっかいこー」
「じゃあおごって」
「OK!!じゃあカラオケで」