同居人
第6章 紅く、濁る糸
私はその場を
離れた。
「あーあ…せっかく甘~いムードだったのにね」
「せっかくとか言わないっ」
私は髪を巻いた。
…まあそんなに
長くないから
時間はあまりかからない。
いつも軽く巻くだけ。
「わ、おしゃれ~」
優が私の巻いてる
髪を見て言った。
「…そう?」
「うん。巻いてないのもいーけど巻いてるのもいーね!!」
…そんなに
違うもんかな?
私が髪を巻き終えたらちょうど良いぐらいの時間になっていた。
「…よし、出るか」
「おーっ」
鍵を閉めると優が
手を握ってきた。
「…エレベーターの中だけ」
なんか可愛かったから
「…うん」
私も少しの間
優の手の温もりを
感じていた。