
同居人
第6章 紅く、濁る糸
「…物足りないけどいいや。ありがと」
優は私を
抱きしめてきた。
個室のため
狭い…
「ほら、行くよ」
「うん」
優の手を引き
化粧室から出た。
「すいません。待たせてしまって」
私は席に座った。
「あれ、真央さんも一緒だったんですかぁ?」
「あ、うん。心配して見に来てくれたの」
「…藤堂さん大丈夫だった?気持ち悪くない?」
「はい。大丈夫です。ご心配おかけしました」
私は菅野先輩に
軽くお辞儀。
「二人が行ってる間に料理来ましたよ」
机にはたくさんの
料理が並んでいた。
…殆ど優のだけど。
「先輩、本当に何にも食べないんですかぁ?」
「うん。家出るときに軽くパン食べてきたんだよね」
