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同居人

第3章 憂鬱なお誘い



優は私の方を

一瞬見て

出て行った。





…ばたん



「優…?」


優が怒った…

優を怒らせた…


優が出て行っちゃった…



「もう一回、戻ってきてよ…」


独り言のように

喋り続ける。


「なーちゃん、って…呼んでよ…」


もうダメかもしれない


私があんなこと

言わなきゃ

良かったのに



「…ごめんね、優。…ごめんねごめんね……」


ああ

もう私、言葉に

なってないや…



こんなに優のこと

大事に

思ってたんだ


「会いたいよ…会いたいよ、優」


もう優を

傷つけないから

戻ってきてよ


未だに

忘れられない男が

いる私のもとに

戻ってきて?


私はそのまま

泣きわめいた


声が枯れるまで

意識が

遠のくまで

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