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同居人

第5章 それぞれの相手

*優Side*


「…優」


微かな声だったけど

俺は聞こえた


…なーちゃんが

俺を呼んだ声。


昨日もなーちゃんに

会った。



最初は気が付かなかったけど

なーちゃんの

走り去る時音が

したから。


なーちゃんの後を

追いたかった。


今すぐにでも

抱きしめたい。



「ね?真央?今さっきの女の人、昨日真央が追おうとした人じゃない?」


星菜の声が

耳に入らない。



…なーちゃん

泣いてた。


俺には分かる。


絶対泣いてた。


…俺のせいで



「…星菜、ごめん」


急いでなーちゃんの

後を追おうとした。


でも昨日と

同じように星菜に

止められた

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