月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第17章 夢の終わり
その声音に軽い苛立ちが混じっている。
香花はキッとしたまなざしで理蓮を見つめる。
「当然です、私は素花さまではありませんもの」
その言葉に、理蓮が薄く笑みを浮かべる。
「なるほど、そなたは、兄がどうなっても良いと申すのか」
刹那、香花が射るような烈しいまなざしで理蓮を見た。
「何ですって? 光―、私の兄をどうするつもりなの?」
危うく〝光王〟と言いかけ、香花は慌てて言い換えた。
理蓮がうっすらと笑みを湛えたまま、歌うように続ける。
「知れたこと。そなたがあくまでも養女にならぬというなら、そなたの兄だと名乗る男の生命は保証できぬ」
「止めて!」
悲鳴のような声で香花は叫んだ。
「兄には何の拘わりもないことだわ。私を殺せば、それで済むではありませんか」
香花はキッとしたまなざしで理蓮を見つめる。
「当然です、私は素花さまではありませんもの」
その言葉に、理蓮が薄く笑みを浮かべる。
「なるほど、そなたは、兄がどうなっても良いと申すのか」
刹那、香花が射るような烈しいまなざしで理蓮を見た。
「何ですって? 光―、私の兄をどうするつもりなの?」
危うく〝光王〟と言いかけ、香花は慌てて言い換えた。
理蓮がうっすらと笑みを湛えたまま、歌うように続ける。
「知れたこと。そなたがあくまでも養女にならぬというなら、そなたの兄だと名乗る男の生命は保証できぬ」
「止めて!」
悲鳴のような声で香花は叫んだ。
「兄には何の拘わりもないことだわ。私を殺せば、それで済むではありませんか」
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