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月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】

第26章 都の春

 光王や香花が生きた時代から約百年を経て、長らく鎖国を保ってきたこの国も列強諸国の干渉を受けざるを得なくなった。一八九七年、国号を朝鮮国から変更し、大韓帝国成立。一九一〇年、日韓併合条約が締結され、これにより大韓帝国は滅亡、日本の朝鮮総督府の統治下に入った。
 最後の朝鮮国王高宗が一九十九年、薨去する。高宗の子、純宗は〝二代目大韓帝国皇帝〟(初代は高宗)の称号を得たものの、大韓帝国消滅後はソウルの昌徳宮に住み、王族として李王に封じられた。一九二六年、純宗、五十二歳で薨去。この国が辿った近代化の歴史はまた同時に数々の悲劇をももたらした。
 成氏の家門は李氏朝鮮王朝が終焉を迎えてもなお、幾つもの時代の荒波をかいくぐり、興隆していったという。
(完)
 
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