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　さもなければ、〝都一の情報通〟と自らもって任ずるように、巧みに高官―しかも大臣クラスの上流階級の両班たちに混じって、その気位の高い夫人たちと親しく付き合うことなどできはしないだろう。
　幸いにも香丹の良人は、官職は低いながらも賄賂がふんだんに入ってくる。香丹はその人当たりの良さと巧みな弁舌、更には十分すぎるほどの財力を基に高官の夫人たちに取り入り、見事に彼女らから仲間扱いされるまでになった。
　むろん、奥方たちを動かしたのが、香丹が持参する贈物―つまり賄賂である―であったのは疑いようもない。
　かつての栄光は昔日のもの、この傾きかけた家門を何とかして盛り返したい―、それが叔母の悲願であり、また香花の願いでもあった。この二人の金氏の女性たちには、紛うことなき二代目夫人の血が流れているのだ。