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トライアングル・ラブ―素直になりたかった―

第2章 消えた笑顔



整った顔の南に間近で見つめられ、さすがの私だって、平常心ではいられない。


「…めんどくさい。」


私は南の頭をペシッと叩き、足を早めた。


上昇した体温が頬を包む。


「…ったく。最近、さりの笑顔全然見てねーんだけど?」


追いかけてきた南が膨れながら言う。



私は、南に笑顔を見せられない。


中学生になってから、ずっと女子に呼び出しをくらってきた私。


決まって言われたのは「幼なじみだからって、南君に笑いかけるな。」だった。

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