トライアングル・ラブ―素直になりたかった―
第5章 特権
ママはホントに南のことが大好き。
イケメンってのも理由の一つかもしれないけど、一番の理由は優しいから、だとか。
その優しいのを皆に振り撒くのって、どーなのかね。
「じゃ、お母さんさり借りますね。」
「どーぞどーぞ。借りるんじゃなくて、もらっちゃって!」
ちょっと、要らない子みたいな扱いしないでよ!
私は南に腕を引っ張られ、強制的に家を出るはめになった。
「…カフェなんて、彼女つくって彼女とでも行きなよ。」
私は一歩前を歩いている南に向かって吐き捨てた。