向かいのお兄さん
第18章 御恩と奉公
「はーやーくー」
『…』
あたしは体をねじり、左手を直也の肩に置いた
少し背中を伸ばして、軽く唇を重ねる
「…み…さき…」
『?』
いつもはキスの時、直也はあたしの名前を呼んだりしない
直也はあたしの頭を支えて、唇を挟み込むようにキスをしてきた
『ぅ…ん///』
直也のキスは
気持ちがいい
すぐに溶けてしまいそうで
嫌いじゃない…
直也は嫌いだけどね!!
パッ
とリップ音つきで唇を離すと、直也は問題に目を通した
「単語ごとに前置詞は違うから、全部覚えろって言ったよな?」
『こ、こんないっぱいあるのに、全部とか無理…!!』
「出てきた単語は全部覚えろー。ここは"on"だ」
『…はい…』
「俺も美咲にonしたい」
『やかましい』