向かいのお兄さん
第21章 神さま
『いい加減目ぇ開けてよ直也ぁあああああ!!!!』
「美咲ちゃん落ち着いて…!!」
和樹は
大声を上げるあたしを
直也から離した
『ふざけんのも大概にしてよ!!
何でいっつもいっつもあんたに振り回されなきゃなんないの!?』
あたしは和樹の腕に阻まれながら
直也に怒鳴り散らした
「美咲ちゃん…」
『起きろ馬鹿!!
聞こえないの!?ねぇ直也ぁああ!!!』
「美咲ちゃん!!」
和樹はあたしを椅子に座らせ、肩を掴んであたしの目を見た
『離して!!直也が起きないの!!早く起こさなきゃ…!!』
あたしは椅子から立ち上がろうとするけれど
和樹はそうさせてくれない
暴れるあたしを
和樹は押し付けるように椅子に座らせる
『邪魔しないで!!直也が…直也が…!!』
「美咲ちゃん!!!」
『…はぁ…はぁ…』
あたしは息を荒げたまま
和樹を見上げた