向かいのお兄さん
第4章 電話で
ピ
あたしは返答せずに電話を切った
頭おかしいんだな、あいつ
♪~♪~♪~
早速かけ直してきやがった~、無視無視
♪~♪~♪~
『…』
うざいな
『もしもし』
《次切ったら流すから》
出たー
『…あんたさぁ…人権っての分かってる?プライバシーの侵害ですよ』
《知らね、早くやってよ》
『勉強してるし』
あたしは右手でペンを持ち、ノートに写す作業を平行した
《声聞きたい》
『今聞いてんじゃん』
《喘ぎ声》
そりゃそうでしょうねー、ただの声を聞きたいってんなら可愛らしいもんだろうけどねー
『やだ』
《…へえ、いいんだぁ》
『いや待て』
それはあれですか
お決まりの、声流すよ脅迫ですか?
『…あはんあはん』
《ふざけてんの?》
ふざけてましたー