向かいのお兄さん
第34章 介抱してやる
『だめっ、直也っ…///』
あたしは
空いた左手で、自分の下唇を軽く引っ張った
いつも以上に目尻が下がっていることは、十分わかってる
鏡を見るまでもない
直也は、あたしの人差し指を口に含み
舌を転がした
『んんん~っ///』
もしかしたら、身体で一番敏感なところって
指なのかもしれない…
『じゃ…じゃなくて…!!///』
あたしはもう一度、直也を押しのけた
「何だよ?」
『そ、その店員さんの服、どうしたの…!?///』
「ああ、服?
こんなもんどうにでもなる」
全然答になってないし…
「ってか、なぁ美咲…」
直也は急に真面目な顔をして
さっきまで掴んでいた手を
握り直してきた