向かいのお兄さん
第2章 向かいのお兄さん
『…』
寒いし…
京饅頭、置いていってもいいかな…?
造花店のシャッターは開いているけど、今日は誰もいなかった
イケメン労働者たちの面を拝めなくて、ん~残念(笑)
さっさと帰ろ…
「はい」
出た
『こ、こんにちは、あの…えっと…』
扉を開けて出てきたのは、イケメン労働者の一員であろう男
あ、
あたしって緊張しぃの人見知りぃのだからね
『これ、よかったら皆さんで食べて下さい』
あたしは京饅頭を、その男に差し出した
いや、献上した
「…今、佐藤さんたち、みんな出かけてんだ」
イケメン労働者は、京饅頭を受け取らずにそう呟いた
『じゃあ、渡しといてください』
「…君って確か…」
京饅頭を無視し、イケメン労働者はあたしの顔をまじまじと見てきた
そ
そんな見られたら
顔赤くなるから
だめですょ