高校生になって
第7章 放課後
「榊ん家どこ?
遅くなったから送ってく」
遅いって
まだ6時半で明るいのに………
「遊原公園の近くだよ」
そんなこと思いながら
実はもうちょっと一緒にいたかった
私は早灘くんの手を握り返す
早灘くんは少しびっくりしたようで
顔が赤くなっていた。
沈黙が続くが
こんな時間が楽しかった
「ここだよ!」
「家デケェな…。
じゃあ、今日はおつかれ
また明日な」
私の頭を優しく撫でて
帰って行く
(あっ、お礼しなくちゃ)
「早灘くんっ!!ありがとぉ」
私は10メートルくらい先の
早灘くんに聞こえるように大きな声で言った
聞こえたみたいで
早灘くんは振り向いて手を上げ
帰っていった。