高校生になって
第10章 文化祭
★side 乃亜☆
「乃亜すごいぢゃーん!!
九条先輩に指名されるなんて
羨ましい♪」
(びっくりしたー
まさか指名されるとは………
名前覚えてもらえたかな?)
「そういえば早灘くんは?」
「いないねー
今から休憩だから探しにいけば??」
「うんっ」
タッタッタッ
(どこにいるんだろ………
うゎ、女の子たちいっぱいだよ
ん? あれって早灘くんぢゃ)
「早灘くんっ!!」
キャーっ
かっこいい
早灘くんだっけ?あそぼー
(聞こえてないみたい)
「早灘く……痛っ」
女の子たちの肩が当たって
バランスを崩した
「おぃ、お前らどけっ
榊……大丈夫か?」
早灘くんが私の方に
手を差し伸べている
(スーツ姿だ……)
「う、うん。ありがと」
早灘くんの手をとり立ち上がる
「ちょっとお前ら邪魔だから」
少し怒った口調で
女の子たちに言っている
「榊、行こ」
手を繋いだまま裏庭に行く
「何か用だった?」
「………用ってわけぢゃないんだけど
一緒にいたかったっていうか……」
(結構すごいこと言っちゃったな)
「そっか……」
(戸惑ってるな……)
「服似合ってんな」
「あ、そのままで来ちゃってた。
早灘くんのほうが似合ってるよー」
「そうか? ありがと
もう時間ないよな……?」
「うん」
(もう、時間か…)
「仕事おわったら、廊下で待ってて」
「わかった。また後でね」