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真夏の雨

第5章 真夜中の来客

ベランダに出て夜風にあたっていた
夏の風も気持ちが良い。さぁて眠ろう



「さぁくらさん」


振り向くと
前髪をくくった可愛らしい朱里がいた

「今夜は満月ですよ。ほらっ」と指を差した。


桜は、見上げると綺麗な月が浮かぶ
都会の海を想像した。


きれいね…


桜は見とれていた
長い髪が風になびき
泳いでいるかのようだった


桜を見た
朱里は…月を見上げず
桜を見ていた。朱里の心が踊った。



ヘックシュン…


朱里のくしゃみで我にかえった桜



風邪ひいちゃうから部屋に戻りなさい


と朱里に言って桜は、ベランダを
後にした。



朱里は、桜が部屋に入るのを確認して
タバコを吸い始めた。

月を見上げ
朱里はいま、何を想う。

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