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澪―みお―

第2章 井藤 美智子

翌年の冬には子供が産まれた。
彼によく似た男の子だった。
私たちは、周りの家庭に比べると教育らしい教育はしてこなかった。
ありのまま素直に育ってくれさえすればそれで良かったから。
お義父さんは泣いて喜んでくれた。
父子家庭のせいもあってか、子供は大事にしてもらえた。
私は嬉しかった。
自分を認めてもらえたようで。
しかし幸せな時間は続かなかった。
私たちの子供は、不幸にも病死してしまう。
冬に産まれた子供は、5回目の冬は迎えることはできなかった。
彼と私はヒドく落ち込んだ。
そこからだった。
お義父さんが変わってしまったのは。
毎日のように私を蔑み、罵倒した。

子供が死んだのは私のせいだ。

お前がキチンと見ていなかったから。


こんな嫁で息子は可哀想なやつだ。


気が狂いそうだった。
直接関係していなくても、私のせいで息子が死んでしまったのではないかと思い始めていた。

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