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放課後は図書室で

第10章 秘めた想いと決心

「こっちもそろそろ来るかな?」


私は努めて明るく言った。

紗耶香は雰囲気で相手の気持ちを汲み取るタイプだから。
きっと私が無理に「大丈夫」と振舞っていることも、先輩をいないものとして振舞っていることもわかっていると思う。

それでも私は、明るく振舞おうと思った。


「うん。寒くなってきたし、早く行こうか…。」


紗耶香が頷いて言うと、私達は歩き始めた。


先輩は、何も言わずに私達と一緒にいた。
さすがに私のそばに居辛いのか、紗耶香のそばにいる…。

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