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放課後は図書室で

第10章 秘めた想いと決心

「成瀬さん?大丈夫?…ね、どうする?」


俯いたまま、完全に自分の殻に閉じ篭っていた私に、先輩が突然話しかけた。


「…え?」


「聞いてなかった?事故で、電車しばらく動かないって。」


話しかけられたことにびっくりして顔を上げると、先輩が心配そうに顔を覗き込んで言った。

慌てて外を見ると、疲れきった顔をした人がホームにたくさんいた。

そこは、私の降りる1つ手前の駅だった。


…今日はとことんついていない日かもしれない。

私は小さくため息をついた。

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