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放課後は図書室で

第10章 秘めた想いと決心

「成瀬さんには悪いことしちゃったんだけど、しかもそれでこんなに遅くなっちゃったんだけど。
でも、最後にこんな風に一緒に帰れるのは、嬉しいね。」


先輩はゆっくりと歩き出すとそっと呟いた。

私はびっくりして顔を上げると、先輩はにっこり笑いかけてくれた。


…どういう意味?

先輩も、こうやって帰るのが嬉しいの…?


まさか、こんなにドキドキしているのは、私だけじゃないの?


先輩の一言は、私の心を完全に混乱させた。


でも、まさか。先輩が、そんなはずない…。

きっと、完全に落ち込んだ私の心を察して言ってくれているんだ…。

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