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放課後は図書室で

第11章 出口の見えないトンネル

「もう、あんなことがあるのも嫌だし…。あんまり先輩とは関わりたくないの。
…しばらく、図書室も行かない。先輩の話もナシにして欲しいの。」


完全に水を差していることはわかっていたけど。

それでも、言わずにはいられなかった。


みんなは顔を見合わせて困った顔をしていたけど、私はそれを見ない振りをしてみんなの所を離れた。


心配してくれる大事な友達に背を向けていることはわかっている。

それでも、今のこの状況が辛かった。


ファンの子達に言い返せるくらい強かったら…

全てを気にせずに、先輩への気持ちを前面に出して突き進めたら…

いっそ、先輩をはねつけられるほど嫌いだったら…


まるで出口のないトンネルに突入してしまったような気持ちだった。

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