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放課後は図書室で

第12章 サボりの代償

「これでちゃんと友達になれるかな…?」


先輩は嬉しそうにそう言った。


「…先輩と、友達?」


友達、という言葉に少しびっくりして、私は顔を上げて思わず聞き返した。


「そう。…ダメだった?
かわいい美希ちゃんと仲良くなれるチャンスだと思ったのに…。」


「…そんなこと、ないです。」


時々、心を揺さぶる先輩の言葉があって、実は「友達」以上のものを、ほんの少しだけ期待していたことに気付いた。

でも、この「友達」が今までより少し近づけたような嬉しさも感じて、複雑な思いを抱きながら答えた。

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