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放課後は図書室で

第12章 サボりの代償

「俺が協力できることがあったら言ってよ。俺がいる時の方がいいとか、いない時の方がいいとか…。
ゆっくり考えていいから。
入学した時から、あそこはお気に入りなんだろ?」


先輩が穏やかな口調で続ける。


…入学した時からって、そうだけど、なんでそんなこと…?


「なんで知ってるのかって、顔に書いてあるけど?
部活の時、よく見かけたんだよ。
入学式の直後からだったから、1年生だと思って見てたんだ。」


顔が真っ赤に、というより、顔から火を噴くくらい、顔が熱くなった。


知ってたんだ…。

だから初めて当番が一緒だったあの日、あんな風に話しかけてきたんだ。


心臓が凄い速さで動き出して、顔も涼しい風に当たっているはずなのに熱く火照っている。
とにかく、どうしていいのかわからずに俯いた。

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