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放課後は図書室で

第12章 サボりの代償

「ゆっくりでいいよ、ホントに。
…俺はただ、成瀬さんの悲しい顔を見たくないだけだから。それが俺のせいなら、尚更。」


先輩は最後にそう付け加えると、俯く私の頭を撫でた。

心をくすぐる先輩の言葉に心が躍るけど、意図がわからずに高ぶる気持ちを抑える自分もいる。


先輩は、少女漫画とか、ティーン向けの小説なんかに出てくる、主人公の女の子と恋に落ちる男の子が言うような言葉を言うことがある。

先輩のことが気になっている私にとって、本当に心を鷲掴みにされるような言葉なんだけど。
でも、先輩がどういう意図で言っているのかがいまいちわからない。


先輩を見ていると、誰にでも優しく接しているように見えるから、私に対しても特別でないようにも感じてしまう。


「…ね、大丈夫?」

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